妊娠といえば葉酸と亜鉛という認識が現在広がりつつあります。この二つの栄養素の特徴や、妊娠との関係を今回は考察してみました。

葉酸と亜鉛が妊娠にどう関係しているのか

葉酸と亜鉛、どちらも細胞分裂に欠かせない栄養素

葉酸はビタミンBの一種であり、亜鉛はミネラル。

ふたつは栄養素としてのカテゴリーは違うのに、細胞分裂に欠かせないというよく似た特徴を持っています。

葉酸は細胞の核酸を生成するのに必要なビタミンで、亜鉛は核酸の合成にかかわる酵素に不可欠なミネラルなのです。

もちろん亜鉛も葉酸も他に全身にかかわる多くの大切な役割を持っています。

たとえば葉酸は造血作用があり、欠乏すれば貧血を引き起こしますし、亜鉛は皮膚を健やかに保ったり、成長に必須のミネラルなので欠乏すれば発育不全や味覚障害を起こします。

つまり葉酸も亜鉛も人間が生きていくためには絶対必要な栄養素なのです。

妊娠前から妊娠中にかけての葉酸と亜鉛

葉酸はとくに妊娠前から妊娠中期の女性に欠かせない栄養素になります。

葉酸は妊娠を予定している女性が多めにとることで胎児の先天性以上である「神経管閉鎖障害」のリスクを大幅に下げることが研究で分かっていて、これこそ葉酸が妊娠に関して特別扱いされている最大の理由なのです。

また、妊娠初期は葉酸が胎児の成長のために消費されるので貧血を防ぐためにも必要なので、厚生労働省も妊婦が普段の1日の推奨量240μgに200μgプラスした440μgの葉酸をとることを勧めているのです。

では、亜鉛はどうでしょうか。

亜鉛にも妊娠中の付加量が定められていて、1日の成人女性の推奨量8㎎に2㎎加えた10㎎となっています。

でも葉酸のような明確な理由はなく、ただ胎児の健全な成長のためということのようです。

また、妊娠期に普段に上乗せした量が推奨されているのは葉酸と亜鉛だけでなく、ビタミンB群やカリウム、銅など他に多くあるので、葉酸と亜鉛だけが妊娠中の特別な栄養素というわけではないようです。

葉酸、亜鉛と男性の関わり

葉酸摂取で男性だけが得られるメリットというのは今のところないようです。

しかし亜鉛は確かに男性と関わりの深い栄養素です。

というのは、1回に射精する精液の中に1㎎もの亜鉛が含まれているからです。

それに亜鉛が不足する亜鉛欠乏症の症状の中には性的な発育が遅れることや精子の量が減少することがあるのも分かっています。

厚生労働省も亜鉛に関しては成人男性の1日の摂取量を女性よりも2㎎多い10㎎にすることを勧めていて、やはりこちらは女性よりも男性に必要な栄養素なようです。

このような性質から、亜鉛のサプリメントが男性不妊を改善する効果があるように言われていますが、専門家によると亜鉛サプリメントと男性不妊を対象として研究の数は今のところ少ないので、医学的にはまだはっきりと効果があるとは言えない状況です。

亜鉛サプリと男性機能の関係については、さらなる研究を待たなければならないでしょう。

葉酸と亜鉛をサプリメントで摂取する意味は?

しかし葉酸と亜鉛が体内に多くあって、健康には欠かせない栄養素であることは動きようのない事実です。

そしてサプリメントでの摂取も医学的な根拠が薄いというのが「意味がない」のではなく、まだ研究途上だと考えてほしいです。

現在の日本では、葉酸と亜鉛はある程度バランスがとれた食事をしていればあまり不足しないというのが一般的ですが、一方で食事の傾向が欧米化したことによってやや不足しがちなのではないかという意見もあります。

葉酸と亜鉛のサプリメントで補うことが不妊の改善になるとは言い切れませんが、葉酸も亜鉛も十分に摂取したほうが健康に良いことは確かです。

そしてもう一つ大切なのは体に必要な栄養素は葉酸と亜鉛だけではないので、他の栄養素も食事からとらなければならないことです。

ですからまず食事を見直し、それでも葉酸や亜鉛が不足しそうならサプリメントを利用するというのが順番として妥当なのではないでしょうか。

葉酸と亜鉛が両方とれる食材を知ろう

葉酸と亜鉛は特別なものを食べなければ摂取できない栄養素というわけではありません。

かなりありふれた食材に葉酸と亜鉛は含まれています。

たとえばたまごと大豆製品、納豆がそうです。

また、レバーとカキ(貝)にも両方がたくさん含まれています。

でもこの二つは食べるときには注意が必要になります。

まずレバーは脂溶性ビタミンのビタミンAが豊富なので、食べ過ぎるとビタミンAが体内に蓄積されてしまうおそれがあるのです。

だから調理する際は一人30から50gになるよう量を調整してください。

カキは生で食べると食中毒のリスクが高くなります。

とくに妊婦さんは食中毒に警戒しなくてはならず、カキはしっかりと過熱して食べるようにしましょう。

このように普段の食事に意識して取り入れ、どうしても無理な分はサプリでというのが最も栄養バランスがとれやすいやり方になります。


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