【葉酸と赤ちゃんの物語】1個の卵細胞が37兆に増えるまでの到達点とは

投稿日:2018年5月17日 更新日:

「お腹の赤ちゃんのために葉酸を摂取しましょう」というのは、もはや常識です。

でもなぜ赤ちゃんに葉酸が必要なのか知る人は少ないのではないでしょうか?
これからその理由を詳しく説明していきます。

葉酸が赤ちゃんにどう作用しているのか

葉酸がどんな役割をしているか知っていますか?

葉酸が赤ちゃんにどう作用しているのか

葉酸はビタミンBの一種で、細胞分裂する際に細胞の中の核酸(DNA)を生成する役目があります。
私たちの体は常に細胞分裂を繰り返し、細胞が入れ替わることで成り立っているので、葉酸はとても大切な栄養分です。

そしてとくに葉酸を多く必要としているのが胎児、つまりお腹の中の赤ちゃんなのです。

妊娠していない女性なら普通の食生活をしていれば、葉酸が極端に不足することはありません。

しかし活発に細胞分裂をして成長していく赤ちゃんにとって葉酸が足りなくなることはまさに死活問題です。
なぜなら赤ちゃんはたった1個の細胞から始まって、10数回の細胞分裂を経て、生まれるときには37兆個もの細胞でできているからです。

葉酸はこの驚異的な細胞分裂の物語になくてはならない主役の一人なのです。

赤ちゃんのための理想的な葉酸摂取量とは

現在、厚生労働省ではでは1日の葉酸の理想的な摂取量を成人は240μg、赤ちゃんが欲しい女性は640μg、妊娠中の女性は480μgとしています。

赤ちゃんのための理想的な葉酸摂取量とは

よほど偏った食生活でない限りは成人1日の摂取量を満たすことは難しくないのですが、日本人の約15%が体内の葉酸を利用しにくい体質であることと、妊娠すると一気に葉酸の需要量が増加するので、この量の葉酸が推奨されているのです。

特に赤ちゃんを希望する女性や妊娠初期(4~12週)の女性はこの摂取量を満たすことが目標になってきます。

葉酸が多く含まれる食べ物としては「葉酸」の名前のとおりほうれん草、春菊、モロヘイヤなどの葉物野菜やその他の緑黄色野菜があります。
しかし好き嫌いがあったり、妊娠初期にはつわりがあったりしてこれらの食べ物を食べられないこともあるでしょう。
そのような場合は赤ちゃんのためにも葉酸のサプリメントを服用することもお勧めです。

葉酸の不足は「神経管閉鎖障害」のリスクを高める

「赤ちゃんが細胞分裂するために葉酸が必要なら、もし足りなくなったらどうなるの?」

これはとても良い質問です。

これほどまでに妊娠前や妊娠中の女性が葉酸を十分に取ることを推奨するのは、赤ちゃんに「神経管閉鎖障害」という障害が出るのを防ぐためです。
お腹の赤ちゃんにとって妊娠直後から10週前後は脳や脊髄といった「中枢神経」ができる大切な時期です。
しかしなんらかの原因によって中枢神経が正常に形成されない障害を「神経管閉鎖障害」と言います。

神経管閉鎖障害は脳に関係する場合と脊髄に関係する場合の二通りあり、もし脳にこの障害が出たときは脳に腫瘤ができる脳瘤や、脳が育たず死産や流産の確率が高い無脳症を発症します。

脊髄の障害は二分脊椎症と言い、これは下半身の運動機能や知覚に影響を及ぼし歩行障害や排泄障害を起こしますが、軽度から重度まで症状は様々です。

つまり、この「神経管閉鎖障害」の原因の一つに葉酸の欠乏が考えられ、葉酸を十分に摂取すると赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクが6割以上も軽減すると言われています。
妊婦に葉酸の摂取が勧められるのは、この障害を予防するためなのです。

赤ちゃんのために私たちが確実にできること

もちろん神経管閉鎖障害は葉酸の不足だけで赤ちゃんに起こるわけではありません。

赤ちゃんのために私たちが確実にできること

今のところ遺伝や薬の摂取、糖尿病なども原因として考えられています。

つまり神経管閉鎖障害がなぜ起きるのかはいまだはっきり分かっていないのです。
ただし葉酸を取ることでそのリスクが軽減されることは、アメリカやフランスなどでも研究成果として発表されている信頼できる情報です。

医学は昔に比べ信じられないほど発達しましたが、人間の手では血の一滴も作れませんし、虫の一匹すら生き返らせることができないのが現状です。

命の領域で私たちが赤ちゃんのためにできることはほんのわずかなのです。
けれどもそのわずかの中に「葉酸を摂取する」という手段があるなら、やらずにいるのは実にもったいないことです。

たった1個の卵細胞が最終的に37兆もの細胞となり「赤ちゃん」としてこの世に生まれる奇跡の物語を完遂するために、私たちもその手助けをしたいものです。

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